ある時、唐の6代皇帝玄宗がマラリアにかかり床に伏せた。
 玄宗は高熱のなかで夢を見る。宮廷内で疫神が悪戯をしてまわるが、どこからともなく男が予の輪と宝剣をもって疫神を退治してしまう。玄宗が男に正体を尋ねると、「自分は終南県出身の鍾馗。
 武徳年間(618年-626年)に官吏になるため科挙を受験したが落第し、そのことを恥じて宮中で自殺した。だが高祖皇帝は自分を手厚く葬ってくれたので、その恩に報いるためにやってきた」と告げた。
夢から覚めた玄宗は、病気が治っていることに気付く。

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